2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

古川真人『背高泡立草』感想

『背高泡立草』は第162回芥川龍之介賞受賞作である。つまり1番新しい芥川賞受賞作ということになる。 芥川賞の作品は難しいものが多い印象があると思うが、これも全く例に漏れず読みにくい。読み出してすぐは特に特徴的な文体に苦労した。 この作品の特徴は…

凪良ゆう『流浪の月』感想

読みたい読みたいと思い続けて、先日やっと読んだ凪良ゆうの『流浪の月』。 これは多くの人に読まれて欲しいと思う。そんな作品だった。 あらすじを端的に説明するのは難しい。読んでもらった方が絶対に早い。実際公式のあらすじも読む前はなんの事やらと言…

三浦しをん『光』 感想

三浦しをんの『光』を読んだ。いつもの三浦しをんとは大分イメージの違う、陰鬱で重たい作品だった。 美浜島という東京の小さな島で暮らす中学生の信之は同級生の美花と性的関係にある。ある日、島を津波が襲い、信之と美花、信之の遠縁で小学生の輔、そして…